相談室shaberii

大好きだった高校教師を
やめてまでやりたかったこと。
それは、心の作戦会議ができる
プライベートカフェでした。

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PROLOGUE

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  • ~Prologue~

    「明日、目が覚めたら学校が消えていますように」

    七夕の笹に飾られた多くの短冊の中に、この「願いごと」をみつけました。
    SNS上で探せば、きっと同じようなツイートがたくさん見つけられます。

    「明日、目が覚めたら学校が消えていますように」

    「明日、目が覚めたら会社がなくなっていますように」

    本当になくなったら、もちろん困ることも
    あるでしょう。

    でも、この先のことなんて今は考えられない。
    とにかく明日、学校に、会社に、行きたくない。
    行かないでいい理由が欲しい。

  • あの短冊を書いたのは、こんな男子学生かも
    しれません。

    「明日、朝イチで謝りにこい」

    苦手な先輩の悪口をネタにして話してたら、あいつに告げ口されたとわかった。
    「ごめん、お前の陰口が先輩にバレちゃった」
    このLINEのせいで、塾の間、何も頭に
    入ってこなかった。
    仲間内だと思って安心して話したのに、あいつ俺に恨みでもあんのか?
    こういう場合はできるだけ早く謝るしかないのは分かってる。
    人の見た目をネタにして笑うなんて、言い訳のしようもないからな。
    調子にのりすぎた。やっぱ学校、めんどくせ ───

    明日の学校について考えながら立ち寄った夜のフードコート。
    ポツンと置かれた七夕コーナーで、マジックペンのキャップを外し始めた自分に驚きながら、
    そのときの気持ちを書いたのかもしれません。

  • いや、男子だと思っていたけれど、こんな女子学生の叫びだということもありえます。

    「今日のお弁当、赤が足りなかったなぁ」

    夜も働きに出ていたのに早起きしてお弁当を作ってくれたお母さんがつぶやく。
    それを聞いて「彩りなんてどうでもいい!」って、投げやりに言ってしまった。
    本当に言いたかったのは、「学校を休みたい」なのに。
    せっかく作ってくれたこのお弁当、一緒に食べる人がいないだなんて、お母さんは知らない。
    無断欠席。お母さんのスマホに学校からの着信が残っているだろう。
    やっと見つけた場所。今日はここでお弁当を食べよう。
    この制服はスカートのデザインが人目に付きやすいけど、ここなら、きっと大丈夫。
    学校で1人よりは、マシだから。

  • はたまた、こんな教員の叫びだとしても、おかしくない。

    「授業の心配はしないで、ゆっくり休みなさい」

    教頭先生の言葉にお礼を言って、欠席連絡は終わり。
    仮病じゃないのに、思い切って電話したら、
    少し元気が出た。
    平日の昼間でも、お店にはこんなに多くの人が
    いるんだな。
    代わりに授業をしてくれたのは、きっとあの先生。明日お礼を言わなくちゃ。
    休み明けは優しく声をかけてくれる人が増える。
    その優しさで机の上に置かれている提出物の山が消えるわけでもないのに。
    今日に限って教材は何も持って帰っていない。
    明日授業準備をしている間に保護者から電話がかかってきたらどうしよう。
    休んでも、学校のことが頭から離れないや。

  • もしくは、こんなお母さんが、書いたのかもしれない。

    「明日は学校に行くね」

    昨日の晩、娘がそう言って準備を始めたから、つい心が躍ってしまった。
    一喜一憂、こんなの続けてたら、私の心がもたないな。
    ベッドから起き上がろうとしない娘。2週間前から続く、朝のこの光景。
    また期待しただけ損だった。
    今日も職場の人に無理を言ったけど、家にいたって重苦しい空気は動かない。
    どうして「あなたのことが大好きよ」って必死に伝えようとしたんだろう。
    「ママは学校でうまくやっている私が好きなんでしょう」って言ったきり、
    何を聞いても返してくれない。
    学校なんて行かなくてもいい。私、本気でそう思ってるのにな。

  • 学校がなくなってしまえばいいのにと思っているその人は、
    「学校」から距離をとり、少しだけ元気が出たところで、
    短冊に願いごとを書いたのかもしれません。

    身近な人だからこそ、言えない。
    本気の壁にぶちあたったとき、友達だからこそ、家族だからこそ、
    話せなくなることがありませんか。

    友達や家族の存在は、心の問題を解決するのに役立つかどうかとは、
    あまり関係がないように思われるのです。

    友達や家族には心に抱えている問題を知られたくない。
    明るく健康に暮らしていると思われたいし、温かい人たちに囲まれた理想の自分でいたい。
    友達や家族との関係性それ自体に悩んでいる方もおられるでしょう。

  • その問題と向き合うべきなのはわかっているけれど、向き合うことができなくなって、困っている。
    一見関係ないと思われる人間関係上の綻びや糸のもつれを修復し、ほどいていくことで、
    誰かの日常生活の歯車がクルクルと再び回り始めるのを
    私は何度も見てきました。

    カウンセリングでは「こうしたらいい」とすぐに答えを出すわけではありません。
    でも、1人で考えるしかないと思っていたことを一緒に考える人がいることが、
    必ず誰かの救いになると
    信じています。

    不登校の児童・生徒が35万人近くに達する現在において、
    困っている方が相談できる場所があまりに少ないのではないかと感じています。

    20年以上教育現場にいる私が感じたまま、困りごとを抱えているお母さん自身の話したいことを話せる場所が、
    学校や病院以外に必要ではないかと考え、町の相談室を開設しました。

  • 大好きだった教師という道を離れた私が、それでもなお目指したかったのは、
    さらに一歩踏み込んで子どもたちに力を届けることです。

    そのためにも、悩んでいるお母さんが立ち寄るのにちょうどいい場所を作りたい。
    一緒にお茶を飲みながら作戦会議ができる「心のよりどころ」になりたい。
    大人を支えることだって、子どもを支えることにつながっていると思うからです。
    直接的にも間接的にも、子どもたちを支援していきたい。
    そうやってこれからも、教育という営みに携わっていきたいと考えています。

    もちろん対象は、お母さんだけではありません。
    子どもたち、将来のお母さんたち、お父さんたち、先生たちも。
    1人ではなかなか向き合えない問題に、一緒に取り組んでみませんか。

  • 「今日寝て起きたら、
    学校が消えてなくなりますように」

    「今日寝て起きたら、
    会社が消えてなくなりますように」

    「今日寝て起きたら、
    世界が消えてなくなりますように」

    「今日眠りについたら、
    もう二度と目が覚めることがありませんように」

    そんな願いごとを唱えなくてもすむように。

    公認心理師
    佐藤 純子

SERVICEサービス内容

相談室shaberiiは「誰と一緒に考えたらいいの?どこに相談したらいいの?」と
心を悩ます問題を抱えて孤独になっている方をカウンセリングによって支援しています。

  1. 保護者向け
    カウンセリング

    小学生〜大学生までのお子さんを持つ保護者の方へ。
    お子さんの学習意欲の低下や不登校等周りの人に気軽に相談することができず苦しんでおられる方の心を支えます。

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  2. 中学・高校生向け
    進学サポート伴走支援

    カウンセリングで心理的な支援をしながら英語の学習指導を行うサービス。高等学校英語科の教諭として20年間指導してきた経歴を持つカウンセラーが中高生の進学をサポートします。

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  3. その他 個人向け
    カウンセリング

    家族にも、友達にも、誰にも話せない心の問題を抱えてしまった方へ。
    予約をとった瞬間、あなたはもう1人ではありません。

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FAQよくあるご質問

カウンセリングを受けられる方から寄せられるご質問についてお答えします。

苦しいとき、人は即席の「答え」を求めがちです。「答え」をくれる人を探して相談室を訪れる人もいるでしょう。しかし、そのような「答え」をもらって問題が解決することを「効果」とするならば、カウンセリングに「効果」はありません。
カウンセリングは即席の「答え」をカウンセラーが決めて、薬のように渡すものではないからです。
短時間で出した答えは、短時間しか効力がありません。
逆に言えば、「一時の心の整理整頓」をゴールにすれば、「カウンセリングは短時間でも効果がある」と言えます。
悩み続けて出す答えにしか価値がないとしたら、一生悩み続けなければならない問題だってあるでしょう。その場合、ゴールを「何に悩み続けるのか覚悟を決めること」とすれば、覚悟が定まれば効果があったと言えますし、そこでカウンセリングは終結となります。

どちらにせよ、そのゴールまでたどりつけば、それまでより少し楽に生きられるようなゴールを設定するので、短期間であれ、残りの人生すべてに影響するレベルであれ、「効果がない」と言い切ることの方が難しいと私は考えます。
身近な誰かに相談できるうちは、その誰かに話を聞いてもらいましょう。それは、いわゆる「ふつうの相談」です。
しかし、様々な理由で「ふつうの相談」ができないような事態が訪れることがあります。たとえば、その誰かの調子が悪くて話を聞いている場合じゃないときや、話してみたものの相談内容が重すぎて相手が受け止めてくれないとき、その誰かに関連する問題のため絶対に言えないときです。
それに、その身近な誰かは話を聞く対価としてお金をもらっているわけではないため、秘密にする義務も単なる口約束です。端から見て孤独な人が使うのではなく、その問題を考えるとき自分は1人である、という人に利用して欲しいサービスです。
公認心理師法で「公認心理師は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない」として、秘密保持が義務付けられています。その秘密を守るために料金をいただいていると言っても過言ではありません。ご安心ください。

PROFILEプロフィール

さとう じゅんこ / 公認心理師

Junko Satoさとう じゅんこ / 公認心理師

学歴
2000年 3月
岡山城東高等学校普通科国際系 卒業
2004年 3月
慶應義塾大学文学部人文社会学科教育学専攻 卒業
2024年 3月
Yale大学 Addiction Treatment:
Clinical Skills for Healthcare Providers 認定資格取得
職歴等
  • 元高等学校教諭(2006~2024年)※2004、2005年は講師
    川崎医科大学附属高等学校(英語科)
  • 公認心理師(令和3年11月取得、登録番号 第65051号)
    岡山県スクールカウンセラー
所属学会等
  • 岡山県公認心理師臨床心理士協会

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